“聴かせる”ガールズバンドHump Back
永遠なんて何処にも無いんだろう
昨日なんて遠い昔話だろう
コンクリートをかち割るようなアオい青春は何処にも行けずに空を眺めてる
夢の半分は夢で終わるのさ
明日なんて遠い未来の話さ
制服の裾を掴むような淡い初恋は
ようやく居場所を見つけたみたいだ
Hump Back(ハンプバック)
2009年に高校の軽音楽部より結成された大阪出身の3ピースガールズバンド。
メンバーは、林萌々子(Vo./Gt.)・ぴか(Ba./Cho.)・美咲(Dr./Cho.)
邦楽ガールズバンドがここ何年かでぐいぐい勢いを増してきているのは、バンド好きならよく聞く話で、
SHISHAMOやyonige、リーガルリリー、最近だとCHAIが国内だけでなく国外でも人気沸騰中。
そんな中、今いちばん聴いてほしいのがこのHump Back。
ちなみに3/28にリリースされるチャットモンチーのトリビュートアルバムでは、Hump Backが「湯気」(チャットモンチーの1stシングル『恋の煙』に収録)のカバーを務めている。
Hump Backを初めて聴いたのは、THE NINTH APOLLOという大阪のインディーズレーベルがリリースした『THE NINTH APOLLO samplerCD 2015』に収録されている『いつか』という曲だったのだが、その衝撃は覚えている。
「めっちゃええ声やん....」
そう、Hump Backの特徴のひとつはまずVo.林萌々子の通った声だ。
トップに載せた動画はHump Backの2nd mini albumリリースinfoの動画なのだが、
最初に曲の歌詞を交えたMCを挟み、そこから収録曲の『星丘公園』を演奏している。
Hump Back / 星丘公園
“大阪によくおる姉ちゃん”という表現が良い意味で似合う彼女は、
声も話し方も言ってしまえば男前で、
バンドのフロントマンとしてのカリスマ感や、「付いて行きます!姉貴!」と黒い革ジャンを着た男たちに言わせてしまうくらいの姉御肌を感じさせる。
ただ、そのカッコ良さは演奏が始まるとまた違った形を見せる。
“聴き惚れる”
Hump Backの曲は聴いたひとが惚れるようになっている。うん、そういう仕組みになっている。間違いない。
透き通った声と、どこか哀愁を感じさせる歌詞。
そして曲の構成もすごく好きで、
最初はギターとVo.林の声のみで引き込ませ、以降バンド全体で進んでいく。
が、終始音が声を邪魔していない。これが本当にHump Backには合ってる。
あと『星丘公園』は3:02あたりからのラスサビでのコーラスとのハモリ。
これがすごい最高じゃないですか?ねえ
曲の中でちょくちょくBa.ぴか、Dr.美咲とのハモリがあるのだけれど、どれも林の声を引き立てていて、ベースやドラムの音だけじゃなくコーラスの良さもHump Backは強い。
Hump Back / 月まで
同じタイプというか、似た構成なのがこの曲。
最初は林のギターと声で進んでいき、まず曲の景色を見せる。俳句でいうと最初の5音。
で、7音5音がガツーンとやってくる。
『星丘公園』と比べると、この曲はもっとロック。歌詞は少ないし、時間もたったの2分。
けれど、情景がすごく浮かぶ一曲。
人生というレールを進んでいるひとりの人間の歩みのスピード感が、Aメロではなんとなくゆったりで、サビに入ると同時に走り出して、未来に向かっていくような、そんな情景。
「迎えに行く」という表現が短い曲の中で何度か使われていて、そこにバンドとしての力強さも表れている。
いかがでしょうか、Hump Back。
曲を聴いて何か感じるものがあれば、その気持ちは本物。
ぜひこれからもチェックしてほしい。
ガールズバンドという括りでは収まりきらない彼女たちの活躍に期待。
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