From “andymori” To “AL”
andymoriというバンドがいた。
2007年、今から11年前。
小山田 壮平、藤原 寛、後藤 大樹の3名で結成されたそれは、東京を中心に着実にファンを増やしていった。
藤原のしっかりと安定したベースに、後藤の爆速でパワフルなドラム。
そしてなにより、小山田の歌と唄と詩。
“Peaceful”という言葉がよく似合うバンドだった。
“Freedom”という言葉をそのまま具現化したようなバンドだった。
愛してやまない音楽をどこまでも鳴らそうぜ兄弟
本気になるならケンカもするよ たまに嫌になることもあるだろう
だけれどお前の瞳は いつまでも少年のように 俺を呼ぶから
苦しい時も素直な心でいられるよ
愛してやまない音楽を どこまでも鳴らそうぜ兄弟
素敵なメロディー 聴かせてくれよ ララララララララ….
ギターケース抱えて歩いた駅までの道の途中 振り返った笑顔
時は流れて 夢は破れても 変わらない情熱を歌いたい
愛してやまない音楽を どこまでも鳴らそうぜ兄弟
聴かせてくれよ 奏でてくれよ ララララララララ….
結成された2007年から早くも2年後、
彼らは「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や「SUMMER SONIC」といった日本の巨大フェスに出演し、翌年1月にはiTunesの2010年ブレイクが期待できる新人アーティスト10組「iTunes Japan Sound of 2010」に選ばれた。
翌月に新ドラマー岡山 健二が加入。
2014年の解散まで、その新たな3名でandymoriは歩んでいった。
ただ、その後藤の脱退と岡山の加入から、
彼らの解散まで、
ひとことで言うと、いろいろあった。
当初は、2013年9月24日の日本武道館公演「andymori ラストライブ 武道館」をもって解散と発表されていた。
しかし、公式HPで解散が発表されてから約2ヶ月後。
小山田が河川へ飛び降り、大怪我を負った。
当時ニュースで報道されていたのをぼんやりとだが覚えている。
バンドの公式発表によれば、小山田は4日の午前9:00頃、約4.5mの高さから河川に飛び降りたとのこと。救急隊の迅速な搬送や措置もあり命には別状はないものの、医師による診察で頭部外傷や頚胸推損傷、複数箇所の骨折などを含む「多発外傷」と診断された。
andymoriの音楽は本当に平和的で、自由で、そこには音楽を演奏することの楽しさが溢れていた。
ただ、僕らファンが見ているandymoriと小山田が見ているandymoriとでは違っている部分があったのかもしれない。
それでも、その出来事から1年後、
andymoriはファンの前に元気な姿を見せてくれた。
そして、
2014年10月15日、日本武道館公演「andymori ラストライブ」をもって解散。
小山田は解散の理由として、次にやろうとしていることが、このバンドではできないからだという。
また、このバンドでできることは、全部やりきったとインタビューで述べている。
andymoriとしてリリースしたアルバムは以下の5枚。
『andymori』『ファンファーレと熱狂』『革命』『光』『宇宙の果てはこの目の前に』
さらにライブアルバムとして
『ANDYSHANTY』『愛してやまない音楽を』の2枚をリリースしている。
どれも最高のアルバムで、andymoriの全てが詰まっている作品なので、
これを読んで少しでも興味が出たひとは是非とも聴いてみてほしい。
と、ここまでがandymoriの過去の話。
ここからは少し現在のandymoriの話をしようと思う。
ん、解散したのでは?
そう思うのは当然。
andymoriは解散した、これは紛れもない事実である。
しかし、解散の翌年2015年、
小山田、藤原、後藤の初期メンバー3人とシンガーソングライター・長澤 知之で新バンド“AL”を結成した。
このニュースは僕を含むバンド好きから、
音楽アーティスト、芸能界など至る所で話題になった。
「あのandymoriが帰ってくる」
andymoriの音楽がまた聴ける、なんて幸せなことなのだろうか。
AL / さよならジージョ
そして彼らALは、2016年4月13日にデビューアルバムとなる『心の中の色紙』をリリースした。
早速CDショップに買いにいったのを覚えている。
大学院一回生の頃だ。
もうこんなことを言うのは野暮だけれど、
ALとandymoriはやはり違う。
疾走感とかそういったものはandymoriと比べると少なくなっている。
けれど、ALにもandymoriにも
音楽が好きだと、演奏することが楽しくてたまらないのだと、そういった気持ちは共通している。
これは僕にも断言できる。
また、先日には2ndアルバム『NOW PLAYING』をリリースした。
AL / NOW PLAYING
これがまた名盤で、andymoriの頃の疾走感も感じさせつつ、ALのしっとり歌い上げる良さも十分に詰め込まれている。
本当にこれからが楽しみだ。
andymoriのときも、ALになった今も、
小山田の心にはきっと、
「愛してやまない音楽をどこまでも鳴らそうぜ兄弟」
この想いが消えることなく残り続けていて、
それが彼の原動力になっているのではないだろうか。
そんな音楽を、僕もずっと追い続けていたい。
0コメント